自宅(在宅)型の映像授業が安い理由は?普通の塾・予備校との料金比較をしてみた

映像授業は安い/従来型の塾・予備校との料金比較

スタディサプリなどの自宅型の映像授業は安いです。

料金メリットが大きく、中高生を中心に登録者がどんどん増えています。スタディサプリの有料会員数は高校生だけでも33.3万人(2018年3月時点)です。

映像授業は年間50万円も安い

映像授業は、従来型の塾や予備校と比較すると、平均的に年間50万円以上も安いです。

以下は、大手塾・予備校の大学受験生(高校3年生・浪人生)を対象とした年間授業料の比較表です。

名称 年間料金(目安)
河合塾 約72万円
代々木ゼミナール 約70万円
駿台 約93万円
東進ハイスクール 約67万円
明光義塾 約58万円
市進学院 約73万円
秀英 約80万円
Z会の教室 約84万円
スタディサプリ 11,760円

人気No.1映像授業であるスタディサプリと比較しましたが、価格比較は一目瞭然、圧倒的に安いです。

従来型の集団授業ももちろん素晴らしい部分がありますが、コスパ面では比べようがないほどに映像授業のほうが優れています。

 

映像授業が安い理由

映像授業の定番スタディサプリを例に、なぜ安いかの理由について考えます。

理由① インターネットのみでの展開だから

自宅型の映像授業サービスはインターネットのみでの事業展開です。これが安いイチバンの理由です。

河合塾や代ゼミなどは大きな校舎を全国に何箇所も構えています。建物自体の建築費用はもちろん、毎月数百万円になる家賃(土地代)、建物の光熱費や維持管理などで莫大なコストがかかります。

ところが映像授業はインターネット上のサービスなので、これらのコストが一切かかりません。強いて言えばサーバー代(映像データをネット上に保管しておくための費用)くらいでしょう。

映像授業に限らず、IT化によってリーズナブル料金を実現している例は少なくありません。Amazonなどのネットショップが、実店舗よりも安いのも同じ理由です。

理由② 人件費カットに成功しているから

ネットのみなので、運営に多くの人を必要としません。つまり人件費がカットできます。

河合塾や駿台などでは講師の人件費はもちろん、担当チューターや事務員、清掃員などあらゆる人に対しての人件費が必要になってきます。

大手予備校ともなると1校舎あたりに50人以上が働いており、仮に一人あたりの給料が少なく見積もって20万円だとしても、人件費だけで1,000万円かかります。

映像授業も講師に人件費がかかるのは同じですが、裏方の担当チューターや事務員の数は限りなく少なくて済みます。清掃員はゼロです。

運営コスト面で大きなウェイトを占める人件費をカットできてるからこそ、映像授業は安い料金設定なのです。

理由③ 薄利多売ビジネスだから

また映像授業は薄利多売が可能なビジネスでもあるからです。生徒1人あたりから少額ずつもらえれば、商売として成り立ちます。

河合塾や駿台の場合は、生徒1人から少額ずつもらうのでは赤字です。なぜなら教室の広さの関係で、1授業あたりの上限生徒数に限りがあるからです。

映像授業の場合は、 “物理的な教室” の概念がそもそもないので、上限生徒数がありません。1つの授業を300人でも5000人でも見ることができます。しかも過去の授業も見れるので、累計数は無限です。

冒頭でも紹介しましたが、スタディサプリの場合、有料会員数が高校生だけでも約33万人います。この33万人が毎月1,815円課金しているのですから、それだけで毎月6億円超えの売上になっています。

距離や時間を超え、1つの授業を最大限に有効活用できるので、映像授業は生徒1人あたりの利用料金は安くでも成り立つのです。

理由③ 大企業リクルートが運営しているから

これはスタディサプリに限ったことですが、スタディサプリの運営元はリクルートです。儲かりまくっている企業としても知られています。

そんなリクルートが儲かるビジネスとして先行投資しているので「まずは大きな利益を取らなくてもいいから会員数を増やそう!」という戦略があると思われます。

リクナビやタウンワーク、スーモ、ホットペッパーなどの全事業をあわせた2017年度の売上高は約1.8兆円。利益は約1,300億円という、とんでもなくビジネスがうまい会社です。

リクルートの中の人に聞きましたが、リクルートは「年間100億円が見込めるビジネスしかやらない」みたいです。

つまりこのスタディサプリも年間100億円を狙っていて(現在すでに年間約50億円前後と推測)、大きな利益を生むビジネスに賭けているのです。

現在のスタディサプリは月1,815円ですが、いずれ社内のKPI(目標数値)を達成した後は、利益回収フェーズとして値上げをしてくるかもしれません。

やや話が脱線しましたが、簡単にいうと「赤字覚悟でリクルートが運営しているから」ということです。まあ、それでも月3.3億円以上の売上があるのですが。

 

まとめ

最後にまとめると、

  • 映像授業は50万円以上も安い
  • ネットのみだから安い
  • 人件費カットしてるから安い
  • 薄利多売だから安い
  • 赤字覚悟のリクルート運営だから安い

ということです。